意識の変転状態
トム・ケニオンを通したハトホルのプラネタリー・メッセージ
定義
混沌の中心点(カオティック・ノード)とは、混沌とした出来事の集まりです。ハトホルたちによると、地球は混沌の中心点に入っており、その結果として、混乱状態のレベルがこれからも高まることが予測されます。そのなかには地震、火山活動、異常気象、生態系の危機、そして経済的、社会的、政治的混乱などが含まれますが、これらに限られたことではありません。
ハトホルたちの言う「意識の変転状態」とは、多大な喪失が起きたときに、私たちが過ぎ去った古い現実と、まだ完全に形になっていない新しい現実との狭間で、一時的に陥る中間地点のことです。
「知覚の指標」とは、私たちが五感を使って世界を理解し、自分の人生を歩んでいくということを表現するために、ハトホルたちが使っている言葉です。
メッセージ
混沌の中心点はその本来の性質上、意識の変転状態を生み出す傾向があります。意識の変転状態は、知覚の指標が消えた時に現れます。そしてこれが起こる時、あなたがたはこれまでの現実がもはや存在しないか根本的に変わってしまったのに対して、新しい現実がまだ誕生していないという、無価値地帯に入ります。
あなたがたが混沌の中心点のさらに強烈な段階へと入ったために、私たちは変転状態について私たちの見解をお伝えしたいと思います。あなたがたが、この知識をご自分の利益のために活用されることを願っています。
転状態は主に1.個人的変転状態、2.集合的変転状態、3.肉体的な死、の3種類に分けることができます。
個人的変転状態
はじめに、個人的変転状態に注目していきましょう。あなたがたが認識する現実は、あなたがたの個人的な知覚を中心軸として展開しているからです。
あなたがたの現実の認識というのは、全く個人的な創造物です。文化、時間、場所、そして状況などの共通認識による影響は受けますが、根本的に何が現実で何が現実でないかというあなたがたの認識は、あなたがた自身の創作です。
あなたがたの現実の認識は、ほとんどの人の場合、知覚の習慣によって決まります。あなたがたは人生のなかで決まった現実を経験するのに慣れていて、それらがたとえばあなたが今どこにいるのかを教えてくれます。朝目覚めて時計を見ると、時間の共通認識が即座にあなたの目の前に現れます。このような幻想に携わるか否かは、あなたがた個人の選択の問題です。実際には、霊的に熟達していることのひとつのしるしとして、文化的幻想の性質を明確に理解しつつ、そのなかを首尾よく進むという能力があります。
あなたがたの個人的な生活が劇的に変化するとき、知覚の指標が消え失せるか、あるいは再編成される傾向があります。
ここで、ひとつの起こりうる筋書を紹介しましょう。あなたがたが長年同じ仕事についていて、この立場で必要とされることに基づいて人生を築いてきたとしましょう。昼食は決まった時間に食べます。家に帰るのも決まった時間です。仕事で要求されることに合わせた特定の方法で、他者と交流します。
もしもその仕事が不意に、突然になくなったとしたら、これまでの知覚の指標が消えてしまいます。決まった時間に起きることも、決まった時間に昼食をとることも、決まった時間に家に帰る必要もなくなり、起きている時間の大半をともに過ごしていた人々とも会えなくなります。
このような状況では、ほとんどの人が本質的に困惑します。ここでも知覚の指標が消えてしまったのです。
あなたがたの個人的生活に劇的な変化が起こるとき、この筋書と似たようなことが起こります。もしあなたがたにとって重要な人間関係が突然終わりを迎えたとしたら、その人間関係の知覚の指標が失われ、あなたがたは意識の変転状態に入ります。
もし、あなたがたが健康状態の危機に直面し、生活に根本的な影響が及んだ場合、知覚の指標は消え去り、非常に困惑するでしょう。あなたがたは意識の変転状態に入ったのです。
混沌の中心点が強烈さを増すにつれて、これまでの現実が目の前で粉々に崩壊する衝撃を、より多くの人々が経験することになるでしょう。それまでの人生のなかで確かだったものが、不確かになります。しっかりと堅い地面だったものが、そうではなくなります。これは、比喩的な意味と文字通りの意味の両方で言っています。
この混沌の中心点から発生している変転状態には、もうひとつ別の波があります。それはすでに多くの人々に影響を及ぼしていますが、その影響は、まるで津波のように意識のなかに広がっていくでしょう。
この特定の変転状態は、あなたがたの文化の集合的偽りの崩壊に関係しています。より多くの人々が、影絵芝居の背後にあるものを見るでしょう。あなたがたは陰で操る者の存在を感じとり、その正体はとらえにくいとしても、あなたがたの文化がさまざまな面において操作され、限定されたものであり、多くの場合真っ赤な嘘であるということを、より現実的に理解するでしょう。
ここで私たちが言っている偽りとは、経済の偽りでも、戦争の偽りでも、自由を制約する宗教の偽りのことでもありません。これはあなたがたの自己認識に関する偽り、あなたがたを拘束し続ける偽りのことです。この偽りとは、あなたがたが肉体をもった人間という存在であるのに過ぎず、地球上での経験以外には、どのような領域にも存在しないとする信念と文化的主張のことです。
この偽りを認識することが個人の自由の先駆となりますが、初期の段階ではかなり混乱することになるでしょう。なぜなら多次元的な経験というのは、地球上でのあなたがたの日常的経験とはあまりにも違っているからです。もしあなたがたが地球的な生活と多次元的な生活との間で孤立しているとしたら、それはあなたがたが意識の変転状態に入ったことを意味します。
私たちがこの情報を提供する目的は、意識の変転状態にある間の実用的な手順をあなたがたに提案することです。
強烈な変転状態に入るとき、ほとんどの人は圧倒された状態に陥り続けるかもしれません。それまで本物だと思っていた現実とともに、知覚の指標が消えてしまったことに気づいたときの衝撃は、多くの人々をひどく不安にします。
時間が加速しているために(これはより多くの出来事が短い時間で起こるという意味です)、ショック状態あるいは圧倒された状態にとどまり続けるという精神的な猶予は、あなたがたにはありません。ここで私たちが伝えたい極めて重要な点は、変転状態の性質に関係なく(その変転状態があなたがたの個人的生活の変化に伴う個人的性質のものであっても、文化的なごまかしに気づくなどのような集合的なものであっても)、あなたがた一人ひとりが、あなたがた自身の現実の創造者であるということです。
なぜ突然自分の人生が奪われてしまったのかについて、あなたがたにはそれぞれの物語があるかもしれませんが、それらは単なる物語に過ぎません。自分の抱える問題について、あなたがたは他の人々、状況、あるいは社会制度を非難するかもしれませんが、これは責任転嫁です。あなたがたの物語は真実かもしれませんし、責めを負うべき人、状況、社会制度が存在するのかもしれません。しかし、意識の変転状態に入ったとき、あなたがたは強力な創造過程の渦の中心にいます。「覆水盆に返らず」という言葉があるように、取り返しのつかないことを嘆く理由も必要もないのです。失われたものは失われたのです。過ぎ去ったものは過ぎ去りました。
そこで重要になるのは、「あなたはこれからどうしますか?」という問題です。
あなたがたはショックを受け圧倒されたままで、怒りと悲しみの茫然自失状態にとどまり続けますか? それとも自分自身を人生の創造者として自己認識し始めますか?
低い意識状態にとどまり続けることを選択するみなさんへ、私たちはこれ以上あなたがたにお話しすることはありません。
私たちの意見は、勇気と大胆さをもって自分自身を創造者として自己認識しようとする人たちのためのものです。もしあなたがたがそのひとりであるなら、私たちは次のように提案します。
すべてが消え失せるとき、つまりかつての現実の知覚の指標を失ったとき、あなたがたは虚空点(ボイド・ポイント)に入ったことを理解してください。
虚空点とは、古い現実と新しい現実との間の極めて重要な変転期です。かつてあったものが終わりを迎えました。失ったものを惜しむ代わりに、あなたがたは何もないことを受け入れます。これは多くの人々にとって、引き受けるのが難しいことです。なぜなら虚空点においては、できることが何ひとつないからです。あなたがたはただその状況の目撃者となり、あなた自身の目撃者にならなければなりません。この中間領域には、知覚の指標が存在しないからです。
新たにどのような指標を取り入れるかに注意してください。それらの考えや信念は、あなたがたの心のなかの新しい空に輝く星となり、自分自身の意識の天空に配置したそれらの星々(考えや信念)を使って、あなたがたはこれからの新しい時代のなかで自分の道を進んでいくようになるのですから。私たちとともに神秘を航海する仲間たちよ、新しい星を生み出そうとするときに、賢明であってください。
意識の集合的変転状態
私たちの見方からすると、人類という集合体は現在、まるで脱皮をしている非常に大きな宇宙のヘビのようで、身をよじったりひねったりしながら、古くなった邪魔ものをこすり落とそうとしています。そのなかには経済的混乱の形をとるものもあります。政治的な性質のものもあります。文化的な制度の崩壊や改革もあります。そして、身をよじったりひねったりしていることには、地震や火山活動、異常気象などが関係している場合もあります。
天災や人災が増えるにしたがって、より多くの人々が意識の変転状態に入ります。地震、火山の噴火、破壊的な気象状況を直接経験した人たちが、意識の変転状態に最も入りやすいというのは当然のことですが、人に共感できる性質をもっている人たちは、天災や人災を、まるで実際にそこにいたかのように経験することがあります。
実際には、人類の互いの意識を隔てるベールが薄れて行くにしたがって、より多くの人々が世界中で起こる変化を、心の底からのレベルで経験するようになるでしょう。
ではここから、地震、火山の噴火、破壊的な気象状況などのような天災や人災の余波に巻き込まれた場合の、新たな創造の問題について述べたいと思います。
もし破壊的な力が十分強い場合には、あなたがたのそれまでの現実を知覚する指標はもはや存在しなくなります。あなたがたの家、あるいは仕事場がなくなっているかもしれません。水や食料不足に直面するかもしれませんし、ショックを受けて圧倒された状態をつくりだす数多くの変化が同時に起こるかもしれません。
これから言うことを、私たちは非常に明確にしたいと思います。災害に直面して衝撃を受け、圧倒されるというのは、ほ乳類にとって当然の反応です。もしあなたがたがその瞬間を超越し、変えようとするならば、あなたがたは高次元に存在する自分自身、あなたがた自身の本質、時間と空間を超えた意識の領域とつながらなければなりません。
自分自身の存在の超越した側面を、自分が生き延びるための方程式の一部に組み入れることができれば、あなたがたはショックや困惑を和らげることができるでしょう。
混乱状態のただ中にあるとき、それがどのような混乱状態であったとしても、確認する必要がある重要な点が「好機のポータル(入り口)」です。
生き延びるため、あるいは新しい人生のための好機は、あなたがたが予想もしなかった方法で現れるでしょう。これはあなたがたの知覚の指標が消えてしまい、好機が訪れたときにあなたがたの意識がそれに気づかないためです。
人間には、新しい現実を古い現実と一致させようとする根深い習慣、あるいは傾向があります。このような状況下において、これは不利な習慣です。
混沌とした状況下での選択にかかわる、次元を超越した現実について、私たちにはお話ししたいことがたくさんあるものの、本題にはいって最も実用的なことをお伝えしたいと思います。おそらくまた別の機会に、あなたがたの無限の本質や、あなたがたの内側に備わっている無限の可能性ついて、私たちの達観した思いをお伝えすることができるでしょう。しかしながら今は少し単純化して、目の前に新たな人生や新たな運命が現れたときに、あなたがたがその好機に気づき、創造するための処方をお伝えしましょう。
あなたがたが意識の変転状態に入ったと仮定して、虚空点を味方に付けて、自分の置かれたひどく不確かな状況にほぼ寛げるようになったとしたら、次のようにしてください。
好奇心を強くもって、奇跡を予期してください。
好奇心の強い状態に入ることで、あなたがたは期待によって縛られない心の一面を使います。まるで子供のような心となって、その無邪気さで(幼稚さとは違います)あなたがたは大きな利益を得られる意識の振動状態に入ることができます。
奇跡を予期することによって、あなたがたは自分自身の内なる創造の力を解き放ちます。これを成し遂げている限り、あなたがたはセレンディピティー(幸運な発見)や、思いがけない利益や富との偶然の出会いなどの出来事が、物質的、精神的、感情的などの性質を問わず、どんどん増えることに気づくでしょう。
次に何が起こるだろうという好奇心をもつことと、奇跡を予期することの組み合わせが、周囲で何が起きていようとも、あなたがたを虚空点から新たな人生、新たな創造へとすばやく移動させるでしょう。
意識の集合的変転状態の間には、それぞれの人がその人自身の現実の創造者であるということ、そして混乱状態のただ中で人々はそれぞれの選択をし、それぞれに異なる個人的現実を歩むのだということを覚えておいてください。
低い振動領域に入る人々によって揺さぶられないでください。それは彼ら自身の選択であって、あなたがたが彼らを救うことはできません。好奇心を強くもち、奇跡を予期して、上を向いてより高い方へ向かって生きてください。そうすればどんなに深刻な状況にあっても、あなたがたに奇跡は起こり得ますし、起こるでしょう。
肉体的な死
肉体をもつ存在にとって最も困難なことのひとつが、あなたがたが死と呼ぶ意識の変転状態です。五感を含むすべての知覚の指標が消えてしまうからです。もしある人が自分を物質的な存在としてのみ認識している場合、この変転状態は最も苦しいものになるでしょう。なぜならその人が認識していたものが、何も存在しなくなるからです。
物質界は存在し続けていますが、五感を通して意識に入力されるものが何もなくなります。それはまるで、肉体とともに世界が消滅したかのようです。意識の変転状態で中心的役割を担う大いなる自己(I Am)は、もはや肉体からも五感からも外界からも情報を受け取ることがありません。これによって、自分自身という存在の別の領域を直接経験したことがない人々は、ひどく不安になり、混乱するでしょう。
たとえて言うと、あなたがたは巨大な木、生命の木のようなものであり、数多くの枝を持ち、数多くの葉や花をつけています。そしてあなたがたの現在の肉体的存在は、それらの葉っぱ一枚、花の一輪にすぎません。
あなたがたが死と呼ぶ意識の変転状態を通過するとき、そこにはいくつかの選択肢があります。もしあなたがたが何らかの霊的伝統の道にあって、その中心人物がグル、神の化身(アバター)、または救済者である場合、あなたがたはこの人物の道に従って、この人物の意識の振動領域に入ることができます。いくつかの宗教において、これは天国として知られています。
もしもグル、神の化身、または救済者の道に従うのだとしたら、あなたがたはその人物の天国、その人物の達した振動領域に入ることになり、必然的にその人物の意識の限界の中にも入ることになるのだということを理解してください。
私たちの視点からすると、宇宙とは本質的に無限です。このように言うとき、私たちは外的宇宙空間のことを言っているのではなく、あなたがたの銀河宇宙の次元間の現実のことを言っているのであり、私たちの経験からすると、そこにあるすべてを理解し、すべてを悟っている人物は、誰ひとり存在しません。
しかしながら、もしあなたがたが死の領域で自分のグル、神の化身、救済者と合流したいと願うならば、私たちはそのためにいくつか提案をしておきましょう。まず、心の中でその人物の名前を呼んでください。これは名前を意味するレン(Ren)というエジプトの言葉に代表される古代の知恵です。あなたがたが霊的存在の名前を呼ぶとき、その存在の一面はあなたがたのもとへやって来ざるを得ないのです。
グル、神の化身、救済者に出会った瞬間、もしその人物があなたがたをふさわしいと見なした場合、あなたがたはその人物によって、その人物の天国の領域に連れて行かれるでしょう。
東洋の霊的伝統には、特定の神々につながるマントラがあります。死ぬとき、あるいは死の領域に入ったときに、これらのマントラを唱えることにも、同じ効果があります。
グル、神の化身、救済者に従う霊的伝統の道を歩んでいない人たちにとって、死と呼ばれる意識の変転状態には別の可能性があります。
他の2つの意識の変転状態と同様、死の領域にも虚空点があり、その主な特徴は静寂(静けさ)と暗闇です。すべての可能性は虚空のなかに存在しますが、現存するものは何もありません。それはオークの木のドングリのようなものです。巨大なオークの木そのものは、ドングリのなかに潜在的にありますが、まだ存在してはいません。
ですから、もし自分が虚空のなかにいることに気づいたら(完全な静寂と暗闇のなかにひとりきりでいることでそれとわかります)、あなたがたは自分の創造の力が結合する中心部にいるのだということを理解してください。
次に何を創造するかによってあなたがたの運命の進路が決まり、あなたがたの住む世界、存在する領域が決まります。これはきわめて重大な時点です。
暗闇を恐れる多くの人々が、早まって光のほうへ移動します。このような人々が理解してないのは、切望することによって彼ら自身が光をつくり出しているということです。目の前にトンネルのような入り口が開かれ、彼らはこの光のトンネルの中に入り、以前から知っている人々に出会い、それによって結果を十分に理解することなしに、肉体をもった状態、あるいは存在の別の振動領域に戻って行きます。これは、確実にあなたがたに開
かれた選択肢のうちのひとつであり、頻繁に選ばれるものです。
しかしながらもうひとつの選択肢は、虚空点にとどまり、虚空そのものの中に存在して、あなたがたのセルフ(Self)をあらゆる事象を超越する純粋意識として認識するというものです。
何かを創造しようとすることなく、この認識の状態に十分長く存在すれば、あなたがたは自分自身が大いなる自己であるとわかるでしょう。そしてこれを認識した時点で、あなたがたはどのような状況に具現化するかを選ぶことができます。あなたがたは自分が住む世界、または存在する意識の領域を選ぶことができるのです。
この後者の方法は、あなたがたにそれは素晴らしい好機を与えますが、ほとんどの人々にとって最も困難な方法です。これが困難である理由は、人類の大半が肉体をもたないことを不快に思うためです。肉体と物質界での経験を切望することによって、多くの場合、人々は虚空から出るのが早まります。
総括すると、混沌の中心点が激しさを増している段階のために、あなたがたの多くが意識の変転状態に入るでしょう。どのようなレベルに携わっているか、それが個人的生活に関するものか集合的経験か、あるいは死と呼ばれる変転状態であるかに関係なく、あなたがたはあなたがた自身の現実の創造者であることを理解してください。
2011年4月20日
ハトホルたち
トムの考察
私はこのメッセージには驚くほど説得力があり、膨大な情報の宝庫だと思います。私はこのメッセージを何度か読み返しましたが、毎回新しい何かを発見しています。このメッセージには言外の意味を読み取れることが、たくさんあると思います。
特に私はハトホルたちのこの言葉が好きです。
「新たにどのような指標を取り入れるかに注意してください。それらの考えや信念は、あなたがたの心の中の新しい空に輝く星となり、自分自身の意識の天空に配置したそれらの星々(考えや信念)を使って、あなたがたはこれからの新しい時代の中で自分の道を進んでいくようになるのですから。私たちとともに神秘を航海する仲間たちよ、新しい星を生み出そうとするときに、賢明であってください」
集合的マインドのレベルにおいて、私たちの神話的現実が変わっているのだと思います。かつての星々、千年にわたって私たちをひとつの文化として導いてきた思考、信念、現実の予想が、今はかすんでいるようです。それらが私たちを、もはや私たちが進みたいとは思わない方向へ導いてきたことは言うまでもありません。
私たちの文化という集団の船は、この惑星やここに生きる生命の神聖さをほとんど尊重することなしに、大いなる神秘の海を行き来しているようです。しかし、私たちの集団の船が大いなる神秘を航海しているまさにその時にも、気づかないうちに、その船も私たち自身の存在も、この神秘のおかげで成り立っているのです。この非常に奇妙な二元性が、私にはそのときの気分によって、あるいは自分がどれだけ神秘そのものとつながっているかいないかによって、おもしろくも悲劇的にも思えます。
私たちのおかれている状況の皮肉さのひとつは、この船の乗組員、自分の生命力や創造性、そして場合によっては血と汗と涙を注ぎ込んでこの船を操縦している人々が、あなたや私、そしてこの上なく美しいこの惑星に生きる70億人近いすべての人々と、同じであるということです。それぞれの個人的な状況や社会的地位や信念に関係なく、私たち全員がこの船の乗組員なのです。
ニューエイジ界に属する人たちのなかには今も、そしてもう何年も前から、私たちは調和に近づいており、黄金時代がもうすぐそこまで来ていると言っている人たちがいます。私はこのようには思いません。
好むと好まざるとにかかわらず、私たちは皆同じ船にいっしょに乗っていて、その乗組員が対立しているように私には思えます。欲、傲慢、強奪のパラダイムが、私たちの六分儀(訳注)の参照基準であるのに間違いないと主張する人たちが数多くいます。
しかしながら、その他の人たちは、私たちが間違った方向へ進んでいること、地球とそこに生きる命(人間と人間以外の両方)を、これ以上略奪できないことに気づいています。そのような私たちの心の空には、新しい星が輝いています。そして私たちは宇宙の標識に合わせて、私たちの六分儀を調節しています。
これからどうなるかは、まったく予想がつかないことです。しかし、私は周りで起きている静かな反乱に勇気づけられています。
私たち乗組員の多くは、この文章をここまで読んだということはあなたもそのひとりだろうと思いますが、私たちの集団の船(すなわち私たちの文化的狂気)を方向転換させる、あるいは少なくとも速度をゆるめるための行動を静かにとっています。
私たちのなかには、六分儀を取り出して周囲の人たちに新しい星を指し示している人たちもいます。私たちはこれを、私たちが思い描く変化を生きることによって行います。私たちが可能だと感じる、新しい地球の現実を生きる勇気をもつことによって行います。私たちは互いに思いやりを示すことで、これを行います。
そして必要なときには、私たちは自分の意見を守り抜くことによってこれを行います。このことについて私が思い浮かべるのは、世界中で最も貧しい国々における、ハイブリッド種子でない種(作物を収穫したときに新しい種を生みだす種)を保存し、使用しようという草の根運動です。自分や家族のための食料をつくろうとするときに、地球上で最も貧しい人たちに新しい種子を購入させ、隷属させようとする国際経済の利益に屈しないための運動です。
私はこれを書きながら、私たちの集団の船の進路を欲、傲慢、生命の神聖さを完全に無視した方向へ設定した怪物たちに反対して立ち上がっている、彼らの勇気に涙がこぼれそうです。
この時期が個人としても集合体としても辛く困難であるとしても、私たちが直面している不確かさには、希望があると私は思います。なぜなら人間の精神はひどく不確実な時期に直面したときに、時おり高みに昇ってきたからです。
ハトホルたちが正しければ、私たちの誰もが地球での一生を終える前に、数多くの意識の変転状態に直面するでしょう。私たちの古い現実の知覚の指標が置き換えられています。これまで認識していた現実と古い世界の喪失に私たちがどのように対処するかによって、人類が地球上に存在するための次のサイクルが決まります。
私たち一人ひとりにとっては、自分の人生の変転状態で何を創造することを選択するかによって、私たちに開かれる意識の領域が決まります。
私の乗組員仲間のみなさんと、みなさんが愛する人たちへ、このような動乱の時期にみなさんが安全な航海をされることをお祈りします。しかし、何が起ころうとも、この危険な旅の途中でどこにいようとも、どんな状況に陥ろうとも、私たちは何よりも、私たち自身の現実の創造者であることを忘れずにいましょう。
空には新しい星が輝き、そこには発見されるべき新しい世界があります。大胆であってください。そして、いい旅をしましょう。
訳注 六分儀:天体の高度を測るための携帯用の器機
翻訳:鈴木里美